第4号随感 その1

これまでに製作した四冊のなかでも、最新号に当たる第4号(2009年冬号)は、ひとつの契機として特別な位置を占めている。

第4号の製作を中心とした動きのなかで、このようにブログを作り、頒布の可能性を持ったことはもちろん、月曜社の小林浩さんと知己を得、対談を掲載することになり、また、以前より交流のあった「哲学の劇場」主宰の山本貴光さんにもアンケートにご協力いただいた。
人文書界隈では知らぬ者はいないと言われる(多分、それほど過言ではないでしょう)お二人のお力を得て、「人文書」特集を行なったことは幸甚というか、得がたいことでした。それでも、正直なところ、「人文書」という大きな(或いは、大袈裟な)問題に対して、十分なフォローが出来たかといえば、やはり、力不足もあり、看板が大きすぎた感も否めません。
とはいえ、二年という区切りにおいて、真面目に動いてみたことには、自分(編集長)としても、雑誌としても、それなりに意味のあったことだと感じています。
それだけではなく、真面目ということでは、一般的な意味での真面目な主題を久しぶりに取り扱ったこともこうした特別な印象や感興を強化していることも事実です。これまでは「人文書」のように一般に議論されている主題ではなく、あまり口の端に挙がらないような話題を取り上げてきたので、今回は少し意識的に真面目に振る舞っている面もあります。

それでは、なぜ、「人文書」が問題だったのか、それは本誌(「Divagation」)にとっては、タイミングと気分の問題でした。いつか取り組まなくてはいけない問題でしたし、真面目な構えを取るときには、拙劣の謗りを免れないとしても考える必要があった。どちらかといえば、最初から引き伸ばされていた主題に辿り着くまでに、一年半を要したというのが正確かもしれません。今でも、時期尚早だったような気はしていますが、私(編集長)の身辺状況を鑑みると、このタイミングを逃しては、実現できなかっただろうことも確かです。

あまりまとまりがありませんが、今後、特集の内容について、簡単に触れていく予定です。少し長めの編集後記というところでしょうか。

それと、既刊三冊の目次も少しずつご紹介していくことにします。ご興味があれば、ご覧ください。